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ハリウッドは言わずと知れた映画産業の中心地です。 ワーナーやユニバーサル、20世紀フォックス、コロンビアなどメジャー撮影所が拠点としてスタジオを構え、映画製作を行っていたため、そこで作られた映画は専ら「ハリウッド映画」と呼ばれるようになりました。

スクリーンを彩る俳優、豪華絢爛なセットや衣装、美麗な映像と豊かな表現の音楽……。すべての面で多くの人々を魅了したからこそ隆盛を誇ったのは間違いありませんが、映画の骨格は脚本ではないでしょうか。

そこで今回はハリウッドの脚本術について書かれた書籍
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」をもとに、そのシナリオメソッドを紹介します。

シド・フィールドについて
まず「シド・フィールド」が誰かというと、脚本家であり脚本の指導者だった方ですね。どちらかいえば、指導者としての才能が高く、ユニバーサル・ピクチャーズ、ディズニー・スタジオ、20世紀フォックスなどで脚本のコンサルタント的立場を務めていました。

そこから多くの有名脚本家を輩出していて、
『ターミネーター』、『タイタニック』、『アバター』のジェームズ・キャメロン
『羊たちの沈黙』のテッド・タリー
『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボン
『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン
など、ひとり一人挙げていけばキリがないほどの実績があります。

そんな功績が認められて全米脚本家協会で殿堂入り。これから紹介する「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」は、20ヶ国以上で翻訳されて、400以上のスクールの教科書になっているとか……。

抑えておいて損はない、学ぶ価値のあるシナリオメソッドだということが、お分かりいただけたでしょうか。


基本は三幕構成
シド・フィールドのメソッドの根底には三幕構成があります。これはいわゆる「序破急」 と似た部類のもの。しかし、もっと突き詰めて体系的に説明されています。

本書では、2時間前後という映画の尺から脚本1ページをスクリーン上の1分と定義。脚本のページ配分を「発端P1~30」、「中盤P30~90」「結末P90~120」と分けています。割合でいうと1:2:1くらいでしょうか。

●発端(第一幕) 
ここの役割は「ストーリーを立てて、キャラクターを設定、ドラマ上の前提を示す。そして状況を説明し、主要キャラクターとその他のキャラクターの関係を設定する」とされています。特に「最初の10ページが脚本上最も重要な部分」と書いています。

これはマンガの場合でも同様で、ざっくり言ってしまうと

・冒頭で何か事件性のある出来事が発生
・ストーリーを読むために必要な情報を提示
・なぜ主人公が動き出す(目的達成)するのかという動機づけ

を行う部分です。 

●中盤(第二幕)
第二幕は葛藤のパート。ストーリー全体の50~60%を占めることになります。葛藤とはつまり、「達成すべき目標の前に立ちはだかる障害との対決」です。

また、このパートでは「サブプロット」も入れていくのがベター。サブプロットは物語のなかで起こる短期的なストーリーです。どこかの伏線になっていたりすると尚良いでしょう。

マンガは映画に比べると尺が短いので、そこまで多くの物語は入れられませんが、サブキャラ同士の恋愛や主人公の細かな設定を披露するエピソードになってくると思います。

ただし、メインストーリーから派生させた話でないと意味がありません。あくまで本筋の厚みに持たせるのがサブプロットの目的です。 

● 結末(第三幕)
脚本の終着、解決が第三幕。勝ち負け、成功失敗、生き死に……紡いできたストーリーの答えを披露します。

マンガのパターンでいうと、
・クライマックス前、決着しそうな寸前で大ピンチに陥る主人公
・ 何らかの解決策を講じて、ピンチから逆転!<<クライマックス>>
・目的達成後のエピローグ要素
という感じでしょうか。


まとめ

この三幕を持って物語は終了となります。好きなマンガでも映画でも、なんでもよいので尺を数えてみるとほとんどがこの方式に当てはまっていることがわかります。

ですが、実際書いてみると気づくはず。一~三幕までを書いて並べたところで、物語にはならないのです。この時点ではいわば点と点の状態。

では、どうやってストーリーをつなげ、線にするのかというと…


「ハリウッドが教える事件の起こし方」をご覧ください。